あいおいニッセイ同和損保の新納社長

日本損害保険協会の新納啓介会長(あいおいニッセイ同和損害保険社長)は3月21日の定例会見で、自社として「営業に直結する(取引先への)出向」を4月から原則禁止にすることを明らかにした。

損保大手4社の共同保険の価格調整(カルテル)問題や、ビッグモーター(和泉伸二社長、東京都多摩市)の自動車保険金不正請求問題をうけて損保業界の取引先への「過度な便宜供与(本業支援)」といった構造的な問題を金融庁が3月26日から有識者会議で議論を始める。これにからんで、自社の見直し事例を紹介した。

新納会長は「業務の品質のアップにつながる支援や地域貢献につながる、社員が高度な知識が身につく、などといった条件に合った時のみ出向が認められるよう条件を明確にした」と話した。

営業に直結する出向を原則禁止したことについて、取引先からクレームがきていないかどうかについて新納会長は会見後の取材に対し「現時点で私のところには届いていないが、取引先には丁寧に説明していく」と述べた。

あいおいニッセイ同和損保と同じグループの三井住友海上火災保険も同様の方針を示している。

東京海上日動火災保険や損害保険ジャパンも「出向」について見直す考え。