西武バス(渡邊一洋社長、埼玉県所沢市)と群馬大学は2月から、営業運行する路線バスと同じ運行形態で、大型の自動運転バスを走行する国内初の実証実験を行うと発表した。群馬大から発足したベンチャー企業の日本モビリティ(小峰千紘社長、群馬県前橋市)も協力する。西武バスの担当者は「バス運行の担い手不足や安全で安心なバス輸送を追求する上で、自動運転の研究は不可欠なテーマ」と実証実験の狙いを説明する。
運行ルートは、埼玉県飯能市内の営業路線で、距離は片道約2・5㌔㍍を予定する。車両は西武バスが保有する大型車両を使用する。ルートの設定は「車道や歩道がきれいに分かれており、頭上の障害物もほとんどなく、GPS(全地球測位システム)の感度にも影響を及ぼさない」(西武バス)ことから選定した。スケジュールや運行本数などは今後詰める。
実証実験では、あいおいニッセイ同和損害保険が実証実験向けの保険を提供するとともに、自動走行の実証実験のリスク管理支援などを手がけるMS&ADインターリスク総研(中村光身社長、東京都千代田区)が総合的なリスク評価と安全管理体制の構築支援を行う。
西武バスと群馬大は、2020年2月に自動運転技術に関する共同研究契約を締結した。自動運転技術の社会実装に向けた研究を進めている。