AIスーツケースの構成

 三菱自動車やアルプスアルパイン、日本アイ・ビー・エム(山口明夫社長、東京都中央区)など5社は12日、センサーからの情報を駆使して視覚障害者の移動を支援する「AIスーツケース」の実証実験を開始したと発表した。2021年4月30日までの期間、商業施設「コレド室町3」(東京都中央区)をはじめ、公共交通機関や大学構内などで実施する予定。搭載機能の性能や使いやすさを評価・検証し、社会実装を目指す。

 5社が設立した「次世代移動支援技術開発コンソーシアム」が実証を進める。使用するAIスーツケースは、カメラなどからの情報と最新のAI(人工知能)・ロボット技術を組み合わせて移動を支援する。位置情報と地図情報から目的地までの最適ルートを探索したり、音声による情報提示を交えながら誘導する機能などを備える。新型コロナウイルスの感染拡大を受け、映像からマスク着用の有無を判定し、ユーザーの状況に応じて行動を支援する機能などを追加した。

 同コンソーシアムは慶應義塾大学、早稲田大学などとも新たに協業する。視覚機能を補うコンピュータービジョン技術などの活用の有効性を検討する。