自動車整備システムの開発・販売を手掛けるEBE(イーバ、千原信悟社長、東京都千代田区)の自動車ガラス事業者向けソフト「FULL!T(フリット)」が注目を集めている。同ソフトは「業務効率」と「コミニュケーションの質の向上」を追求したもので、導入事業者は売上伸長と残業時間減少を実現し、生産性向上につなげている。顧客満足(CS)向上にも寄与するとして、導入する企業が相次いでいる。

 フリットは「FULL IT」からなる造語で、事業者の要望を満たしたいとの思いから名付けた。開発は2016年から開始し、業界経営者数社の協力を得ながら18年から運用を始めた。業界の課題を解決すべく改良を重ね、現在は約50社が導入している。

 フリットの最大の特長は「情報」「人」「機会」をリレーションし、一連の事業を入口から出口まで流れるようにつなげること。具体的には、CTI機能の実装により、店舗に電話が入るとパソコン画面上に顧客情報が表示される。施工履歴やパーソナルな情報まですぐに把握でき、過去の伝票履歴なども検索できるため信頼関係構築に寄与する。受け付けたフロントは作業内容を画面上の項目から選んでクリックするだけで見積もりを作成でき、FAX送信も画面上から操作できるなどスピーディーな対応を可能にする。作成した見積もりは作業指示機能と連動しているため、社外で作業しているスタッフはスマ―トフォンで確認することができる。

 一般的にガラス事業者は社外での作業が多いが、フリットは店舗側で工程管理を入力して指示できる上、作業者も開始、終了、移動などを順次報告できるので効率よく業務を遂行できる。もちろん店舗側で作業状況や現在の位置情報を確認可能だ。

 従来は作業内容を把握する経営者やベテランが作業を指示するケースが多かったが、フリットは受け付けたフロントでも簡単に指示できるので、生産性向上に役立つ。作業者は作業で気になったことなど技術情報を入力できるので、ノウハウを引き継ぐこともできる。

 フリットを導入した事業者へのアンケート調査では「CS向上」が83・1%、「残業代減少」が91・2%、「売上げ向上」が86・5%との結果が出ている。【営業企画】