アウトランダーPHEV

三菱自動車は、2030年に世界販売に占める電動車の比率を5割に引き上げる。2019年度の比率は約7%だった。プラグインハイブリッド車(PHV)を中心とした電動車の投入を積極化し、二酸化炭素(CO2)の排出量削減につなげる。

30日に公開した統合報告書で明らかにした。新たに策定した長期的な環境戦略「新環境計画パッケージ」の一環として、新車走行時のCO2排出量を10年度比で30年に40%削減する目標を設定し、目標達成のためにハイブリッド車(HV)を含む電動車の比率を引き上げる。

主力となるのはPHVだ。国内では「アウトランダーPHEV」に加え、SUV「エクリプスクロス」にもPHV仕様を設定し、ラインアップを増強する。PHVの販売店向け奨励金も10月に引き上げており、電動車の拡販につなげる。

一方、東南アジアの電動車の拡販ではPHVとともに、HVも重要な役割を担いそうだ。三菱自はインドネシアやフィリピンにアウトランダーのPHVを投入したほか、タイでの現地生産も予定しているが、所得水準や充電インフラの整備動向を背景にPHVや電気自動車(EV)の普及は時間がかかる可能性が高い。このため、三菱自は23年度に既存のPHVシステムを活用した自前のHVを東南アジアに投入する。PHVよりも低価格なパワートレインを用意し、電動車の普及につなげる。HVやEVの販売拡大は日産、ルノーとのアライアンスも有効活用する。

三菱自の19年度の電動車販売は7万5143台(OEMのHV含む)だった。