オートバックスセブンの小林喜夫巳社長(左) とBSサミットの磯部理事長

 オートバックスセブンとBSサミット事業協同組合(BSサミット、磯部君男理事長、東京都中央区)は20日、次世代技術への対応を見据えた「包括的業務提携」を締結したと発表した。今年4月にスタートした「特定整備」制度に対応できる地域ごとの整備ネットワークを構築する。特定整備で定められたエーミング(機能調整)などを行う「電子制御装置整備」に必要な設備や人材を相互に補完するとともに、お互いの強みを生かした事業展開を目指す。今月から東京の一部地域や札幌、福岡などで取り組みを開始しており、成果を見極めながら全国へ取り組みを拡大する方針だ。特定整備制度に関連し、業界の枠を超えた大型連携となる。

 特定整備に必要な電子制御装置整備認証を取得するには、作業場や整備機器、整備士資格など一定の要件を満たす必要がある。今後、対象車種の増加に伴い認証取得は必須となるが、整備事業者にとっては負担が大きいのが実情だ。オートバックスセブンは全国約600店舗に併設した整備工場で車検や点検などの整備を実施している。ただ、店舗によっては敷地面積などの制約があり、認証取得が困難なケースが多い。

 一方、BSサミットの組合員数は345社、拠点約500の全国ネットワークを構築している。安全運転支援技術の高度化などにより車体整備の需要減が予想されることから、分解整備と電子制御装置整備認証の早期取得を推進し差別化により生き残りを図っている。

 今回の提携は、両者の強みを生かした地域連携を深めることで競争力を高めるのが狙い。互いのリソースを活用することで早期に体制を構築できるのが利点だ。オートバックスセブンは、車体整備やロードサービスを含めた受け入れ能力の向上により、固定客の流出防止を図ることができる。BSサミットはオートバックスセブンの集客力を生かした入庫拡大が期待できる。