日産自動車は28日、営業利益率5%とシェア6%を目指す4カ年中期経営計画と事業構造改革を発表した。世界の生産能力と商品ラインアップを2割削減することなどで、23年度までに固定費を3千億円縮小し、収益体質を強化する。同時に収益を圧迫しない範囲で商品開発や新技術への投資を積極化し、販売面での課題だった車齢の若返りとブランド力改善を図る。

 「失敗を認めて向かう方向を正しく定める」。決算会見で内田誠社長兼CEOは、過去の拡大戦略を振り返り、今後は収益性の改善に全力を注ぐ考えを示した。

 事業構造改革ではまず余剰な生産能力を削減する。現在の700万台レベルに対し、販売台数は500万台を割る水準となっている。インドネシアの工場を閉鎖するほか、スペインのバルセロナ工場も閉鎖に向けた協議を進める。北米もオペレーションを見直し、生産性を改善する。同時に生産効率を高めるための設備投資は継続し、80%以上の稼働率を維持する。商品は69車種から55車種以下に減らす一方、電動化技術や先進運転技術車を搭載した車両を集中的に投入し、車齢を4年以下にする。今後18カ月間の間に12車種の新型車を投入する。