2019年の国内新車販売台数は、前年比1.5%減の519万5216台と、3年ぶりにマイナスとなった。昨年10月の消費増税前に大きな駆け込み需要がなかった中、台風などの自然災害や消費増税の影響で、10月以降、需要が低迷した。2020年はトヨタのヤリスやホンダのフィットなど、主力量販モデルの新型車が市場をけん引することが期待されているものの、増税の影響がいつまで続くのかは不透明だ。
日本自動車販売協会連合会が1月6日発表した2019年の新車登録車の販売台数は同1.9%減の328万4870台と2年連続マイナスとなった。「RAV4」「カローラ」シリーズなどの新型車の販売が好調で、前半は前年を上回る水準で推移していたものの、10月以降、自然災害の影響で受注が落ち込んだほか、消費増税によって消費者の購買意欲が減退した。部品の不具合などの影響で11月に投入する予定だった新型フィットの市場投入が2020年2月にずれ込んだことも影響したと見られる。
12月単月の新車登録台数は前年同月比9.5%減の22万6951台と3カ月連続マイナスとなった。
2019年の登録車新車販売が前年を上回ったブランドはトヨタ、レクサス、三菱自動車、ダイハツといすゞ、UDトラックス。トヨタとレクサスを合計したシェアは47.9%となった。
日産は同13.8%減の36万7514台だった。ホンダは同5.4%減の35万7242台だった。
一方、全国軽自動車協会連合会が同日発表した2019年の軽自動車販売台数は前年比0.7%減の191万0346台と、3年ぶりに前年を割り込んだ。マイナスとなったものの、過去8番目の水準で、190万台を超えた。スズキが完成検査問題の影響で生産ピッチを落としていたことや、増税が影響したと見られる。
スズキの販売台数は同2.2%減の57万3986台で、シェアは30%に低下した。
前年を上回ったのはダイハツと日産のみだった。
12月単月の軽自動車販売は同13.7%減の11万7924台と、2ケタのマイナスとなった。スズキ、ダイハツの大手2社を中心に、1月の「初売り」セールを前にした買い控えがあったほか、スズキが量販モデルのハスラーの新型車を1月に販売開始することが影響したと見られる。ダイハツの12月の販売台数は同21.1%減の3万5366台で、シェア2位に転落した。スズキは同6.4%減の3万9301台だった。電動ブレーキの不具合などからN-WGNの生産を停止しているホンダは同19.0%減の2万1549台だった。