CASEと言われる変革に自動車業界が挑む動機は何か。端的には、電動化(E)は環境規制への対応。一方、コネクテッド(C)、自動運転(A)、シェアリング(S)は、IT大手の技術圧力が既存の自動車会社を駆り立てているという側面がある。

 C、A、Sは絶対不可欠なものではなく、注力するか否かは各社の勝手だ。いつまでにという期限もない。電気自動車(EV)ショーの様相を呈した昨年の東京モーターショーは、欧州と中国の二酸化炭素(CO2)排出規制、NEV(新エネルギー車)規制に合わせた市販車の開発が佳境に入っていることを示した。

 では、自動運転は電動化よりも遅れているのだろうか。2020年オリンピック・パラリンピックは、日本車が自動運転の技術力を世界に問う中間発表の舞台となるだろう。自動運転には人工知能(AI)という人類の最重点技術が深く関わっており、社会や生活をも変えるインパクトがある。長期的に見て、自動運転の重要度は非常に高く、自動車の進化を強力にけん引し続けるとみられる。