経営再建中の曙ブレーキ工業が8月6日発表した2019年4-6月期連結決算は四半期損益が88億円の赤字となった。受注失敗による減収に加え、パーキングブレーキのリコール関連損失78億円を計上したためで、2期連続の最終赤字となった。6月末の総資産がマイナス4億円、自己資本マイナス57億円と債務超過となった。

北米で、同社製品を採用したモデルの全面改良に伴って受注を逃したほか、中国での生産減少、同社製品採用車の生産打ち切りなどもあって売上高は前年同期比16.9%減の520億円と大幅減収となった。納入先別ではGM(ゼネラルモーターズ)向けのシェアが大幅に低下した。

収益では日本で労務費や経費削減などの効果があったものの、受注減少で47億円の減益影響があり営業利益は同21.4%減の8億円、経常利益が同83.0%減の1億円だった。

同社は2019年1月に私的整理である事業再生ADR(裁判以外での紛争解決)を申請、金融機関などと再建に向けて協議している。事業再生ファンドのジャパン・インダストリアル・ソリューションズから200億円の出資を受け入れることで合意しており、引き続き債権者と協議して経営再建策を固めて9月27日に臨時株主総会を開く予定。