ルノーが6月に開催する予定の株主総会で、フィアット・クライスラー・オートモビルズ(FCA)との経営統合についての議案提出を検討していることが明らかになった。関係者が5月28日に明らかにした。ルノーは短期間でFCAとの経営統合の結論を出す見通しで、ルノーと資本提携する日産自動車も対応を迫られる見通し。5月28日の午前中に開く、ルノー、日産、三菱自動車の会合で、今後のアライアンスのあり方が協議される見通し。
ルノーは5月27日開催の取締役会で、FCAからの経営統合を打診されたことについて前向きに検討することを決めた。ルノーは6月中旬に開催する定時株主総会で、FCAとの経営統合についての議案提出する方向で調整しており、短期間で結論を出す予定。
FCAはルノーに対してオランダに折半出資の統合会社を設立して経営統合することを提案。統合会社の取締役は11人とし、ルノー側が4人、FCA側が4人、ルノーが43.4%出資する日産が1人を指名するとしている。関係者によると、ルノーとFCAのアライアンスに日産と三菱自動車も積極的に加えるため、ルノーが保有する日産株式がルノーとFCAの統合会社に移管される可能性があるという。また、日産は現在、ルノーの株式15%を保有しているが議決権を持たない。
ルノー・日産・三菱アライアンスの首脳は5月28日午前中、横浜市でアライアンスオペレーティングボードの会合を開く予定で、27日にルノーのジャンドミニク・スナール会長とティエリー・ボロレ最高経営責任者(CEO)が来日した。ルノーとFCAの経営統合や、これに関する日産、三菱自の対応が話し合われる予定だ。
ルノーは今年4月、スナール会長が日産の西川廣人社長に経営統合を打診したが、日産は「経営統合を議論する時期ではない」としてこれを拒否した。ただ、ルノーとFCAの経営統合が短期間で決まった場合、日産はルノーとFCAの統合会社への参加を含めて対応を迫られる。