アンドレ・ボーシャン(1873―1958)はフランス中部のシャトー・ルノーの庭師の息子として生まれた。第一次世界大戦中、測量隊で軍事用測量図の作製を担当したのをきっかけに、画家としての才能に目覚める。以来、除隊後も畑仕事で生活を支えながら、46歳で本格的に絵描きとなった。その画面は独学による素朴な表現で、柔らかく暖かな色調でまとめられ、自然への愛…