生まれて初めて生の落語を見た。なかなかチケットが取れないという立川談春。志の輔、志らくと共に立川一門の看板を背負い、俳優業もこなす希代の落語家だ。時間ぴったりに開演ブザーが鳴る。照明が落とされ舞台の幕が開く。袖から一人の落語家がおもむろにやって来て高座に上がりそして静かに噺(はなし)が始まる。私がイメージする落語は、演目につながる「まくら」と呼ば…