モビショーをPRする自工会の正副会長(18日)
来場100万人超を集めるイベントに(JMS2023)
「トーキョーフューチャーツアー」(JMS2023)
トヨタの佐藤恒治社長(JMS2023)
ホンダの三部敏宏社長(JMS2023)
日産自動車の内田誠社長(当時、JMS2023)

 日本自動車工業会(自工会、片山正則会長=いすゞ自動車会長)が主催する「ジャパンモビリティショー(JMS)2025」が開幕まで残り40日に迫り、イベント内容の詳細が見えてきた。2023年のショーが自動車にとらわれないモビリティの広がりと未来の姿を示したのに対し、今回は「クルマ愛、バイク愛にもスポットを当て、ファンの皆さんにもワクワクしてもらえるコンテンツを用意する」(片山会長)。先進国で開かれるモーターショーが軒並み来場者数を減らす中、モビリティがもたらす未来社会を体感できるイベントへと衣替えし、100万人を集めるイベントとなったJMS。今回は自動車文化に改めて焦点を当て、モビリティの本質的な魅力を打ち出す。

 JMSは、70年以上続いた「東京モーターショー」の名称を変えただけでなく、人やモノが自由かつ効率的に移動できるモビリティ社会の構築に向けて自動車以外の産業も参画して未来の姿を示す「共創プラットフォーム型イベント」へと進化した。23年に初開催し、24年には〝裏年〟イベントとしてBtoB(企業間取引)向け「JMSビズウィーク」を開いた。

 出展社数は前回を上回る国内外の480社・団体以上を予定しており、過去最多となる見通し。今回展のキャッチフレーズは「いくっしょ、モビショー!」。三部敏宏副会長(ホンダ社長)は「豊かで夢のあるモビリティ社会によってもたらされるワクワクする未来を体験できる企画を準備した」と話し、クルマ好きも、そうでない人も、老若男女が行きたいと思えるイベントとしたい考えだ。

 18日に都内で開いた自工会会見では、自動車メーカーのトップを務める自工会の各副会長がJMSに対する意気込みを語った。

 トヨタ自動車社長の佐藤恒治副会長は「前回展では『クルマそのものの魅力にもっと触れたい』という声をたくさんもらった」と話し、今回は「モビリティそのものが持つ魅力をしっかりと発信していく」と力を込めた。

 日産自動車社長のイヴァン・エスピノーサ副会長は「皆さんは異なるライフステージで生活しており、夢見る未来もいろいろだ。今回、どこか1社だけでなく各社を回ってみてほしい。ブースもさまざま、展示車もいろいろ。どこかのブースで目指す未来が見れるはず」と語る。

 日本独自の軽自動車の分野では、11月8日に「軽トラ市」を開く。軽自動車委員長を務めるスズキ社長の鈴木俊宏副会長は「総勢50台以上の軽自動車がずらりと会場に並ぶ。軽トラ市ならではの活気と軽自動車の魅力を体感できる」とPRした。スズキとしては「世界情勢や産業を取り巻く先行きが不透明な今だからこそ、スズキは既存の枠にとらわれない発想と、創業以来培った小さなクルマづくりの精神で、未来のモビリティづくりに挑戦する」と説明した。

 二輪車委員長を務めるヤマハ発動機社長の設楽元文副会長は「今春、原付1種新区分が追加され、大きな変革期を迎えている。国民生活に密着したこの領域は、趣味材のモーターサイクルとともに、文化として根付いていけるように、業界一丸で活性化に取り組みたい」と語り、国内二輪メーカー合同で原付1種の新区分基準についてライダーの理解を促す企画を準備しているという。