フォルクスワーゲングループジャパン(VGJ、マティアス・シェーパース社長、愛知県豊橋市)のアウディ部門は24日、新型電気自動車(EV)の「A6イートロン」と8年ぶりに全面改良した「Q5」シリーズを発売した。いずれも新世代プラットフォームを採用した。シェーパース社長は「EVと内燃機関車を一緒に発表するのは最初で最後かもしれない。時代のマイルストーンだ」と話し、全方位のパワートレイン戦略で販売拡大を目指す考えを強調した。
A6イートロンは「Q6イートロン」に続いて新世代EV用プラットフォーム「プレミアム・プラットフォーム・エレクトリック(PPE)」を採用した。4ドアクーペとステーションワゴンの2タイプをそろえ、それぞれスポーツグレードも用意した。
いずれも100キロワット時の車載電池を搭載し、航続距離は769キロメートルを確保(4ドアクーペの標準仕様)。標準仕様には最高出力280キロワット(約381馬力)、最大トルク565ニュートンメートルのモーターをリアに搭載し、スポーツグレードは最高出力405キロワット(約551馬力)、最大トルク580ニュートンメートルのモーターを前後に搭載する。
一方、3代目となるQ5シリーズは、内燃機関用プラットフォーム「プレミアムプラットフォームコンバッション」を同社製SUVとして初採用した。排気量2リットルのガソリンエンジンとディーゼルエンジンを設定し、それぞれ48ボルト系マイルドハイブリッドシステムを組み合わせる。排気量3リットルガソリンエンジンを搭載した「SQ5」も設定した。
アウディの24年販売は2万1415台(前年比13.1%減)。シェーパース社長は「ようやく商品が出そろう」と語り、商品ラインアップの拡充による販売拡大に期待を示した。
車両価格はA6イートロンが981万円から、Q5は760万円から(いずれも消費税込み)。