フォルクスワーゲングループジャパン(VGJ、マティアス・シェーパース社長、愛知県豊橋市)は6月20日、ミニバンタイプの電気自動車(EV)の新型「ID.Buzz(バズ)」の受注を同日から開始したと発表した。納車開始は7月下旬以降の見込み。フォルクスワーゲン(VW)ブランドを象徴するデザインを採用した新型車を起爆剤に、低迷している国内販売の活性化につなげる狙いだ。
ID.バズは、通称〝ワーゲンバス〟と呼ばれるVWの名車「タイプ2」のコンセプトを踏襲した。前面に配置した大型のブランドロゴなどでタイプ2を再現した。販売計画は非開示だが、VWブランドへの愛着度が高いユーザーやアウトドアが好きなファミリー層など、幅広い層の需要を取り込む。
日本仕様は6人乗りの「プロ」と7人乗りの「プロロングホイールベース」の2グレードを設定。駆動用電池の容量は、6人乗りが84kwh、7人乗りが91kwh。航続可能距離はそれぞれ524km、554km(WLTCモード)。急速充電は最大150kwまで対応している。車両重量は2.5トンを超えるものの、最大出力210kw、最大トルク560Nmのモーターを後部に搭載しており、加速力不足を感じさせない仕様にした。
価格は、6人乗りが888万9000円、7人乗り997万9000円(消費税込み)。欧州仕様車と同等の水準に設定した。また、消費税抜きの価格が840万円を超えた場合「クリーンエネルギー自動車導入補助金(CEV補助金)」が減額されることなどを踏まえ、6人乗りは840万円以下に抑えるなど、戦略的な価格を設定したという。