今年の参戦車両。環境性能を高めて8位以上に食い込むことができるか
エティエンヌ・マッソン選手
津田拓也選手

二輪車レースを通じた環境性能技術の開発を加速させているスズキ。6月6日、「鈴鹿8時間耐久ロードレース」の参戦体制を発表した。昨年に続き、「エクスペリメンタルクラス(実験的クラス)」に「チームスズキCNチャレンジ」として参戦する。昨年はバイオマス比率40%の燃料を活用し、8位に食い込んだ。今年はバイオ由来比率を100%に高めた燃料を用いるほか、昨年に比べて環境性能を高めた部品を採用し、レースに挑む。

今年は新たに開発したエンジンや空力部品を採用した「GSX-R1000R」で参戦する。燃料はトタルエナジーズの100%サステイナブル燃料を使用。そのほか、ブリヂストンの再生資源や再生可能資源比率を高めたタイヤ、モチュールのバイオ由来ベースオイル、カウルはJHIの再生カーボン材を使用、フロントブレーキはサンスター技研の熱処理廃止鉄製ディスクなど、環境に配慮した部品・燃料を使用する。

さらに、ユニフォームには100%再生生地のポロシャツを採用する。昨年に比べ、より環境に配慮した製品を使用して8耐で性能を確かめることで、将来のカーボンニュートラル(温室効果ガス排出実質ゼロ)時代の製品開発に生かす考えだ。

スズキが同クラスに参戦する理由について、鈴木俊宏社長は「カーボンニュートラルを求められる中で実験できるレースの場は非常に意義が大きい」と語る。長時間走る8耐は、車両やエンジンなどの性能・耐久性を確かめるにはうってつけのテスト環境だ。

今年は昨年の8位を超える成績を目指す。チームディレクターは昨年同様、佐原伸一氏が務める。ライダーは3人体制。昨年も参戦したエティエンヌ・マッソン選手と、スズキCNチャレンジの開発ライダーの津田拓也選手を起用する。残りの一人は決まり次第、スズキのウェブサイトで知らせる。

2年目となるチームスズキCNチャレンジの挑戦に注目が集まる。