加藤勝信財務相兼金融担当相は1月24日の閣議後の記者会見で、トヨタ自動車の完全子会社で大手自動車ディーラーのトヨタモビリティ東京(TM東京、佐藤康彦社長、東京都港区)と中古車販売のグッドスピード(加藤聡社長、名古屋市東区)に対して、保険業法に基づき24日付で行政処分(業務改善命令)を出す、と発表した。

両社は損害保険会社と契約し、保険代理店として自動車損害賠償責任(自賠責)保険や任意保険の販売をしている。金融庁が立ち入り検査を行ったところ「保険募集業務に対する経営管理体制に重大な欠陥が生じていた実態が見過ごされていた」という。詳細については述べなかった。加藤金融担当相は「両代理店において、不適切な状態が続いていたことは遺憾」などと語った。

2023年7月に表面化した旧ビッグモーターの自動車保険金の不正請求問題をきっかけに、保険業界改革の議論が進んだ。金融庁は改正保険業法案を1月24日からの通常国会に提出する。金融庁はこれらの動きと並行して2024年秋から2社に対して立ち入り検査を実施していた。