トヨタ自動車「ヤリス」が10月の車名別国内新車販売(登録車と軽自動車の合計)で1年3カ月ぶりの首位に立った。認証不正に伴い供給が止まっていた「ヤリスクロス」の生産が9月に再開され、登録が進んだもよう。前月まで4カ月連続で首位だったホンダの「N―BOX(エヌボックス)」は新型車効果が一巡したことで台数を落とした。ただ、今年の累計では首位を独走しており、3年連続の販売首位が濃厚になりつつある。
日本自動車販売協会連合会(加藤敏彦会長)と全国軽自動車協会連合会(赤間俊一会長)が7日、車名別新車販売をそれぞれ発表した。ヤリスは、販売台数の半数以上を占めるヤリスクロスの生産が6月上旬から9月上旬まで止まっていたが、供給の正常化で最上位に返り咲いた。10月のヤリスクロスの販売台数は9655台と、ヤリス全体の6割弱を占めた。
エヌボックスはヤリスとの差がわずか9台だったものの、24年5月以来の2位となった。23年10月の全面改良から1年が経ち、旧型からの代替需要などが一服したとみられる。3位には、SUVモデルが好調だったトヨタ「カローラ」が入った。
10月は首位を譲ったものの、暦年の累計台数ではエヌボックスが競合を大きく引き離す。10月までの累計では前年同期比9.0%減の17万3395台。同2位のスズキ「スペーシア」や3位のカローラとは3万台超の差があり、暦年での首位が濃厚だ。
登録車ランキングでは、ヤリスが2カ月連続の1位だった。2位はカローラで、車両の供給が正常化したトヨタ「ルーミー」が1年ぶりに3位に入った。
軽ランキングではエヌボックスが5カ月連続の首位。9月にSUV仕様モデルを追加したスペーシアは5割増と躍進したが、エヌボックスには及ばなかった。