〝物には時節〟というものがある。日本初の女性弁護士で裁判官にもなる人物を主人公にしたNHKの朝ドラを見ながら、この言葉を思い出し、歴史小説「歳月」の会話が脳裏に浮かぶ◆明治政府の司法省御傭外国人である仏人のブスケが「日本国家はせっかく近代的郡県制度になったというのに、家だけは封建ということになるのでは、ありませんか。矛盾である」と厳しく司法卿の江…