まず試乗車や代車などを販売する

 中国・比亜迪(BYD)傘下で日本の乗用車事業を手掛けるBYDオートジャパン(東福寺厚樹社長、横浜市神奈川区)は近く、認定中古車制度を開始する。まずは全国の系列販売店などが試乗車や整備代車などに使った電気自動車(EV)の再販から始める計画で、100台規模の在庫台数となる見込み。EVは4年間の保有義務がある国の補助金を使って購入する顧客が多いため、当面は下取りや買い取りが発生しにくい。中古EVの流通量不足を補うため、正規販売店が同社の社有車などを落札できる仕組みも整える計画だ。

 新制度は正規輸入車で、初度登録から4年未満で走行距離が5万㌔㍍以内や系列ディーラーで点検や車検を行っているなど、各種基準を満たし一定の品質を担保できるものを認定中古車とする。購入した顧客には新車保証に加え、1年間保証を延長する。この間の走行距離は無制限としていく。正規販売店に加え、ショールーム設置を控えた「開業準備室」でも取り扱う。

 在庫情報はまずは簡易的なサイトで公開するが、6月にも本格的な中古車専用サイトを設ける。自社だけではなく、大手中古車検索サイトへの車両掲載も始め、販売増につなげる。中古車を軸に、新たな顧客づくりに役立てる考えだ。

 同社は国内市場への参入当初から、中古車事業に取り組む方針を表明していた。新車の発売から、まだ1年超で中古EVの発生は少ないとみられるが、早期に制度を確立することで将来の市場拡大に備えていく考え。バリューチェーンの拡大を目指す正規販売店からの要望も多かったとみられる。