ブリヂストンは2026年に、国内の市販用タイヤの販売で、高性能車など向けのプレミアムタイヤの構成比(本数ベース)を23年比7㌽増となる約55%に高める。同社は直営を含めた販売店舗網の拡大を進めている。顧客との接点を増やすことで、プレミアム品の提案力を高める。国内は成熟市場となっており、同社は市販用タイヤの総販売本数が大きな伸びを見込みにくいとみている。こうした中で、高い収益力を実現するプレミアム品の割合を拡大することにより、国内事業の基盤を強化する考えだ。
26年を最終とした新たな中期経営計画で、プレミアム品に重きを置いた戦略に取り組む。商品群としてはスポーツ車向けの「ポテンザ」や上級車用の「レグノ」、スタッドレスタイヤ「ブリザック」などの高付加価値ブランドに加え、17㌅以上の大径タイヤを位置付けている。同年時点で全体の販売本数に占める割合を高付加価値品で同2㌽増の30%、大径タイヤで同5㌽増の25%を目指していく。
同社では、プレミアム品の商品競争力も早期に高めていく考え。新たなタイヤの設計基盤技術「エンライトン」を適用し、走行性能や環境性能を引き上げた製品の品ぞろえを増やす。すでに、レグノの新製品で対応モデルを国内発売している。同技術の搭載モデルは、26年までに世界で投入する商品の65%に採用する計画。国内向けの規模については公表していないが、「多くの主軸商品に搭載する」(東正浩ジョイントグローバルCOO)としている。
同社は新中計において、グローバルでプレミアムタイヤに軸足を置いた事業戦略を採っている。プレミアム品の売上高は、この3年間で約12%増の3兆2900億円に高める計画。国内分の具体額は非公表だが、伸び率は世界を上回る15%増以上を見込むなど、重要な市場の一つとして成長を急ぐ方針だ。