先代モデル

 トヨタ自動車のミニバン「アルファード」の盗難が急増していることが、日本損害保険協会(損保協、新納啓介会長=あいおいニッセイ同和損害保険社長)の調査で分かった。2023年の盗難件数は364件とほぼ倍増。3年連続で最多となったトヨタのSUV「ランドクルーザー」に迫る勢いだ。アルファードは国内市場で根強い需要があるほか、最近では東南アジアなど海外での人気も高まっている。盗難車は部品などとして輸出されているケースが多いとみられている。

 損保協は、自動車盗難事故実態調査結果を公表した。アルファードの盗難件数は上昇傾向にあったが、23年は前年から大幅に伸びた。車両本体の盗難全体に占める割合も22年の6・9%から、14・0%に急増。発生件数も1位のランクルとの差が19件とわずかだった。損保協会ではアルファードの伸びについて、「東南アジアでも人気が高く、部品として積極的に売買されているのでは」と分析している。

 アルファードと基本構造が同一の「ヴェルファイア」も再び増加をみせている。発生件数自体は4、5年前よりも減少しているものの、順位は10位圏外だった22年から一転し、23年は7位に入った。

 また、盗難の発生時間帯は、午後10時から午前9時の間が全体の58・4%を占めることも分かった。盗難1件当たりの支払い保険金額は前年比2万5千円増の237万9千円だった。

 同調査は損害保険会社21社を対象に、1年間の車両盗難や車上狙いによる保険金の支払い事案を調べた。