トヨタ自動車は、新型「アルファード/ヴェルファイア」に現行より廉価なグレードを追加設定する検討に入った。追加時期は生産能力や販売動向などを踏まえて判断する。新型車は最低価格を従来より約180万円上げた。受注はトヨタの想定どおりに推移しているが、価格を抑えたグレードを追加し、ここ数年で膨らんだ公用車などの法人需要に加え、従来からのファミリー層の需要にも応えていく考えだ。

 トヨタは新型アルファード/ヴェルファイアを6月に発売した。全面改良は8年半ぶりで、月販目標は8500台。追ってプラグインハイブリッド車(PHV)仕様を追加することも発表している。新型車は高級感や快適性を高めたが、一方で車両価格(消費税込み、以下同)は540万円からとした。旧型車は359万7千円からだ。先進運転支援システム(ADAS)などの装備追加分もあるため単純比較はできないが、その差は約180万円にもなる。PHVはさらに割高になるとみられる。

 公用車や役員送迎車などの法人需要が「クラウン」などからアルファード/ヴェルファイアへシフトしていることもあり、受注は想定どおりという。ただ、これまでは独身男性や若いファミリー層などからも人気だった。トヨタとしては、廉価版グレードを追加で設定し、こうした既納客の代替需要にも応えていく考えだ。