マクラーレンのショールームが相次ぎ誕生する

 マクラーレンオートモーティブアジア(正本嘉宏日本代表、東京都港区)は、日本で出店ペースを速める。3月に大阪府内に世界で2カ所目となる中古車拠点を新設したが、今秋には広島県に新車拠点を開設。年内に愛知県でも中古車販売店の開業を予定する。2024年も首都圏で店舗を増やし、新車と中古車を合わせて10拠点体制となる見通しだ。年間の販売規模が限られる高額のプレミアムブランドで、出店攻勢をかけるのは珍しい。同社は販売網の拡充で顧客対応力を引き上げ、国内の輸入車市場で好調な高額車需要の取り込みにつなげる。

 新設する「マクラーレン広島」は、これまで正規販売店がなかった中国地区の空白地帯を埋める役割を担う。近隣の四国地区もカバーしやすくなるとみられる。運営会社はすでに決まっており、現在、開業に向けた準備を進めている。新車拠点は24年に、神奈川県内にも設ける。マクラーレン車のターゲットとなる富裕層が多い首都圏で3店舗目となり、さらにブランドの存在感を高めるため出店を決めた。

 中古車の正規販売店の拡大も急ぐ。マクラーレンとして世界初だった東京(19年開業)に次ぎ、23年内は大阪と愛知にも新設する。マクラーレンは現体制で国内市場に参入してから10年超が経過。新車の累計販売台数は1800台を超えており、中古車も増えている。世界に先駆けて中古車拠点を充実させ、新たなユーザーとの接点拡大に役立てる考え。愛知県では新車拠点の「マクラーレン名古屋」を移転し、その跡地で中古車拠点を構える計画だ。

 同社では中古車拠点網の充実で、マクラーレン車の品質を維持する狙いもある。専門知識を有し、高度な整備作業を提供できる認定拠点で中古車を取り扱っていくことで、再販車両の質を高めてブランド力の強化に結び付ける。