8年ぶりのトップ交代だ。会長に就く片山正則社長は「私の考え方を補ってくれる存在だ」と信頼を寄せる。同世代の経営幹部として信頼関係を築いてきた2人が「二人三脚」で電動化や脱炭素化などの課題に取り組む。
同社初の量産電気トラック「エルフEV」を7日に発表しばかり。「電動化は多様な選択肢を用意する。ニーズにあった具体策はこれからセットしていくことなる」と説明する。多種多様な用途がある商用車。EV一本足ではなく、多様な選択肢を用意して電動化を進める方針だ。自身の経営企画や営業などでの経験を生かし、エンジニアとも緊密に連携しながら電動化に対応していく考えだ。
片山社長は「現在の規模ではワントップでやるには非常に負担が大きい」と、現経営体制の課題を指摘する。新たなトップ体制では、片山社長が技術系を束ねたり、改革を主導したりし、事業や営業は南次期社長が担当することになりそうだ。
「来るものは拒まない。誘いは断らない」ことをモットーにし、自分自身を「人づきあいを大切にする性格」と分析する。30歳代半ばから40歳代にかけ、経営企画室に所属していた時に失敗も経験し、悔しい思いもしたが、その後の取り組みでは「現実を直視すること」を心がける。
趣味は旅行。知らない街並みを探訪することが息抜きのようだ。
〈プロフィル〉みなみ・しんすけ 1983年3月早稲田大商学部卒、同年4月いすゞ自動車入社。2014年4月執行役員営業本部営業企画部門統括補佐、17年4月常務執行役員、18年6月取締役常務執行役員、21年4月取締役専務執行役員経営業務部門、企画・財務部門統括、22年4月取締役専務執行役員。1959年9月生まれ、63歳。東京都出身。
(織部 泰)