中古車一括査定サイト「ナビクル」を運営するエイチームライフデザイン(間瀬文雄社長、名古屋市中村区)が買取事業者を対象に実施した「中古車売買に関する意識調査」によると、今年に入り「中古を高く買い取るようになった」と回答する事業者が半数に上ることが分かった。中古車の〝タマ〟不足が長引いている影響で中古車オークション(AA)での仕入れが困難になっているとの回答も半数を超えている。仕入れ価格が上がれば事業者の資金繰りや利幅にも響くため、これ以上の価格高騰を懸念する状況が浮き彫りとなった。

 調査は中古車一括査定サイト「ナビクル」の協力会社である買取事業者11社を対象に、4月13日から20日まで実施した。

 中古車の買取について、今年に入ってからの「買取金額」に変化があるかとの問いに、45・4%の事業者が「高く買い取るようなった」と回答。「安く買い取るようになった」と答えたのは18・2%にとどまっており、大きな差が出た格好だ。価格が高騰している理由としては「相場が上がったから」「オークション価格高騰のためユーザーからの仕入れを強化したから」などの声が上がった。

 一方、「半導体不足等で価格が高騰していたので買取価格も高くしていたが、貿易関係の影響で3月上旬から買取価格を抑えている」との回答もあった。目まぐるしく動いている世界情勢が、国内の中古車市場にも大きくリンクしていることが示された格好だ。

 AAでの仕入れについては、54・6%が「仕入れが困難になった」と答えた。半導体不足などに起因する新車供給の遅延によって新車販売台数が減少。下取りに加え、ユーザーが売却時期を先延ばししたことが、AAの出品台数にも影響したとみられる。

 こうした状況は「当分の間は続く」と予想する回答が54・4%と最多を占めた。さらに、今後も半導体不足により新車の納車が遅れた場合、72・7%が「高く買い取るようになる」としており、さらに中古車の買取価格が上昇する可能性も高まっている。

 また、中古車販売において半導体不足による新車の納期遅れの影響を実感したことがあると回答したのは81・1%を占めた。具体的な事例としては「新車を契約したが納期不明のため、今乗っている車をいつ手放せるかわからないと言われた」「納期が長いため、買取では契約までできない」などのケースがあったという。

 こうした課題が今後も改善しなければ、次第に買取事業者の事業基盤にも響いていくとみられる。