「PIUS」特別講習の模様

 日本自動車教育振興財団(JAEF、内山田竹志理事長)は2022年度の事業計画を決定した。今年度は北陸、甲信越、四国、九州の18県で高等学校向け自動車技術教材の提供先を公募。95校の利用を見込む。さらに21年度に開始した組立式の小型電気自動車(EV)の特別講習を増やすほか、副教材のデジタル化、自動車メーカー工場での教員向け研修会、コロナ禍で中止が続いた海外調査の再開などに取り組む。これらを通じて、教育支援と自動車業界で活躍する若手の輩出を目指す。

 技術教育支援事業では、分解組立式EV「PIUS」による特別講習が実施校で高評価を得たため、講習回数が前年度の6回から10回に増える見通し。学校への講師派遣は30件を予定する。動画教材については、30年前に制作した視聴覚教材「自動車の基礎と電気」の全面刷新に着手し、23年度に完了する計画だ。

 教員向け研修会は①三菱自動車岡崎製作所「PHEV技術と給電システム」②日産自動車栃木工場「インテリジェントファクトリー」③トヨタモビリタ「危険予知による交通安全について」④日本自動車会館「地球温暖化防止に向けた脱炭素対策と自動車技術」(講師はホンダの専門家)⑤同「自転車と新たなモビリティの安全快適な移動手段と安全対策」(講師は自転車活用推進研究会の担当者)-の5件を予定(研修テーマはいずれも仮称)。動画の提供可能なメニューも検討し、全国の教員に受講機会を広く提供する。

 調査・啓発事業では脱炭素社会に向けたエネルギーマネジメントの導入状況などを調べる。海外では、2年連続で中止になったシンガポールでの新技術・自動運転タクシーなどの調査実施を目指す。

 高校の新教科「公共」向けに制作した副教材のデジタル化、動画学習サイトのコンテンツ拡充も進める。