サイバーセキュリティへの関心が高まっている(写真はイメージ)

 日本自動車工業会(自工会、豊田章男会長)と日本自動車部品工業会(部工会、尾堂真一会長)は、サイバー攻撃対策ガイドラインを拡充する。2年前に発行した初版に加え、より高度な対策を求めるガイドラインを近く追加する。両団体の追跡調査によると、初版の順守率は大手企業平均で9割以上だった半面、従業員100人以下のサプライヤーでは6割弱にとどまる。両団体は引き続き、ガイドラインの普及を通じてサプライチェーン(供給網)をサイバー攻撃から守る構えだ。

 自工会と部工会は、サプライチェーンのサイバー攻撃を想定し、主に中小企業を想定した約50項目の対策で構成するガイドラインの初版を2020年に発行した。好事例の共有や、同業他社と対策の度合いを比較できるツールも提供し、サイバー攻撃への備えを進めてきた。両団体の追跡調査によると、回答企業2296社のうち、従業員1万人以上の企業の平均順守率(1項目2点のスコア換算)が96・5㌽だった一方で、同100人以下の場合は56・8㌽にとどまっていたことがわかった。

 今回の追加発行は、先月末に明らかになったトヨタ自動車系部品メーカーへのサイバー攻撃を踏まえた措置ではないが、両団体としては、セキュリティ対策への関心の高まりも好機とし、顧客情報や取引先の技術情報を扱う場合のガイドラインや、模範レベルの対策を盛り込んだガイドラインを追加で近く発行し、業界の対応を促す。