日本自動車工業会(自工会)は18日、2022年5月に任期を迎える豊田章男会長(トヨタ自動車社長)の続投を内定したと発表した。豊田氏の会長職は3期連続となる。日産自動車の内田誠社長、スズキの鈴木俊宏社長、ホンダの三部敏宏社長が新たに副会長に就く。カーボンニュートラルへの対応で電動化を軸にした主導権争いが世界規模で繰り広げられる中、自工会の首脳をトヨタ、日産、ホンダ、スズキの社長で固め、日本の自動車産業の主張を世界に発信していく。
自工会の会長職の任期は1期2年で、これまではトヨタ、ホンダ、日産のトップの輪番制だった。豊田氏は12年に会長に就任し1期務めた後、18年に2度目の会長に就いた。さらに「東京オリンピック・パラリンピック」で日本の自動車産業をアピールすることを理由に20年5月に続投した。
輪番制に移行してから異例となる3期連続の会長職を務めることについて豊田会長は、カーボンニュートラルへの対応が喫緊の課題であるとし、「これまでの危機対応で得た自身の経験が難局を乗り越えるのに役に立つのでは」と述べた。
自工会の副会長は20年10月にいすゞ自動車の片山正則社長、ヤマハ発動機の日髙祥博社長が加わり、大型車と二輪車も含めた自動車産業の課題に向き合う体制にした。22年からは軽自動車メーカーを代表して鈴木社長、さらに日産の内田社長、ホンダの三部社長も加わり、自工会専務理事の永塚誠一副会長も含め6人体制に増強する。
内田次期副会長は「カーボンニュートラルに向けた各国のスピードは違う。日本には優れた技術があるが、スピード感が少し足りない。いかに日本の産業を強くするか」と述べ、脱炭素社会実現に向けて各社が取り組むことが重要との見方を示した。
一方、自動車のライフサイクル全体での二酸化炭素(CO2)削減には、サプライチェーン全体の取り組みが欠かせない。永塚副会長は「評価方法をどうするか、そこは協調領域として検討していく」と述べ、CO2排出量の評価基準について自工会で検討していく方針を示した。