車両から目視できない歩行者の事故低減のユースケース

 本田技術研究所とソフトバンクは17日、第5世代移動通信システム(5G)とセルラーV2X通信システムを活用した事故低減技術の検証を開始したと発表した。「車両から目視できない歩行者の事故低減」など3種類のユースケースについて検証する。2021年度内に技術検証を完了する計画だ。

 ホンダの鷹栖プルービンググラウンド(北海道鷹栖町)に設置したソフトバンクの5G実験用基地局と、本田技術研究所が持っている認識技術を活用し、技術検証を進める。

 検証するのは①「車両から目視できる歩行者の事故低減」、②「車両から目視できない歩行者の事故低減」、③「車両から目視できないエリア内の情報の共有による歩行者の事故低減」―の3種類。①は車載カメラで歩行者が車道に侵入するなどの危険性を認識した場合、警報を歩行者の携帯端末に通知し、②は見通しが悪いエリアにいる歩行者の端末や他車による歩行者検知情報を基に歩行者の存在を自車に通知する。③ではMEC(マルチアクセスエッジコンピューティング)サーバーに周辺車両や歩行者端末の情報を集約し、カメラによる認識機能を持たない車両にも見通しが悪いエリアの先にいる歩行者の存在を伝える。

 5Gは4Gのコア設備を流用する従来の方式ではなく、5G専用のコア設備と基地局を組み合わせるスタンドアローン方式を採用し、高速、大容量、低遅延、同時接続の通信を実現する。