横浜ゴムは19日、2023年を最終年度とした新中期経営計画を発表した。23年の売上収益の目標は前中計から据え置き7000億円とした。3年間で1000億円の戦略投資を予定する。収益性が高い高付加価値製品や、商用車用タイヤを始めとした生産財を重点製品に位置付ける。

 新中計では、23年に事業利益700億円(20年は368億円)を目指す。CASE(コネクテッド、自動運転、シェアリング、電動化)で需要増を見込む商用車用タイヤなどの生産財に力を入れる。日本、北米、欧州では「アドバン」など高付加価値タイヤを戦略製品とした。

 19日にオンラインで開催した説明会では、本社(東京都港区)と平塚製造所(神奈川県平塚市)の統合も発表した。生産や販売に関わる意思決定のスピードを上げるのが狙い。また、マリンホースの生産販売を行うイタリアの子会社の売却も発表、日本とインドネシアの工場に生産を集約する。

 中計での拠点網の統廃合に関して、山石昌孝社長は「足元では全工場がフル生産で稼働している。増産はあるが、削減は無い」と現時点では検討していないとした。