オポーズドタイプのEPBキャリパー

 曙ブレーキ工業は、米国メーカーから高性能電動車向けの電動パーキングブレーキ(EPB)キャリパーを受注し、2021年度上期(4~9月)に量産を開始する。2つのピストンで両側から均等に圧力をかけるオポーズドタイプ(対向型)で、EPBの量産は同社初となる。今後、車両重量や出力が増すスポーツタイプの電気自動車(EV)などでの採用を目指す。また、独自構造の商用車向けのEPBキャリパーも22年後半に量産のめどをつけた。競合他社が手掛ける1モーター式のEPBはすでに普及が進んでいる。ニッチ市場に絞って製品を投入することで、シェア獲得を目指す。

 現在は、1つのモーターで1つのピストンを押し出すフローティングタイプ(浮動型)のEPBが主流となっている。EPB市場では同社は後発のため、「レッドオーシャン(飽和市場)に参入するのは厳しい。他社が手掛けないニッチな市場を狙う」(宮地康弘社長)方針とした。

 乗用車では、まずはスポーツタイプの電動車向けに絞る。電池などを搭載するEVは車体が重くなり、スポーツタイプは加速性能が高い分、ブレーキも高性能なものが求められる。内燃機関車向けに手掛けてきた対向型をEPBに組み込むことで、ブレーキ性能を高めた。すでに開発を完了しており、米国メーカーのEV向けに4月以降に量産を開始する。

 商用車向けでも、1つのモーターで2つのピストンを押し出す独自構造のEPBキャリパーを開発した。高出力性能とコスト面での優位性を持つ。日系メーカーで採用が決まっており、22年後半に量産を始める。