DCT-WR100D

パイオニアは、車載用Wi-Fiルーターの海外展開を検討する。国内では10月の発表以降、販売が好調に推移している。スマートフォンなどで場所を選ばず動画や音楽を楽しむユーザーの増加とともに、車内でのWi-Fi利用に対するニーズも世界的に高まると見ている。幅広い車内の過ごし方に対応可能な車載用Wi-Fiルーターをグローバルに展開することで、カーナビゲーションやドライブレコーダーに次ぐ新たな収益の柱に育てたい考えだ。

国内で10月8日に発表した車載用Wi-Fiルーター「DCT-WR100D」は売れ行きが好調で、「量販店で売り切れが続出している」(髙島直人取締役)という。

海外展開については、欧米やアジアを中心に検討する。海外ではデータ通信費用など市場環境が日本と異なり、現在「現地の通信キャリア会社と可能性を模索している段階」(同)。グローバルでの実用化時期や目標販売台数は今後検討する。生産については、労務費の低減が見込めるアジアの生産子会社を活用する方針だ。

髙島取締役は「ドライバーの走行時間が長く、通信インフラが整っている米国やインドネシアなどで需要があり、参入しやすいのでは」と見ている。同社はこれまで「ドコモインカーコネクト」に対応した市販ナビ「サイバーナビ」など、通信環境の提供が可能なカーナビを展開していたものの、「高価格帯が多く、パイオニアブランドのファンに向けた製品」(同)という位置付けだった。

一方、車載用Wi-Fiルーターは「より広い層に向けた製品」(同)で、「車両のオンライン化」を加速させる戦略商品となる。スマホやタブレットのデータ通信容量を気にせず、映画や動画、音楽を楽しむなど、車内でのさまざまな過ごし方に対応できる。