ロームは、エアバッグや車載カメラ、センサーなどに使用するメモリのEEPROMで新たに「BR24H―5AC」シリーズを開発したと発表した。データ書き込み時間を一般品比で30%削減し、書き換え回数を同4倍に拡大した。自動車の電動化加速とともに、電子制御ユニット(ECU)の搭載数も増加するため、新シリーズでEEPROMのシェア拡大を図る。

 サンプル価格は1個200円(税抜き)で、10月から月産100万個で量産を始めた。一般的なEEPROMは、データの書き込みに5㍉秒かかるが、開発品は3・5㍉秒と業界最速を実現した。初期データ書き込み時間などを短縮でき、ライン占有時間を抑える。書き換え回数も、一般品は100万回であるのに対し、同製品は400万回まで可能とし、電子機器の長寿命化にも貢献する。最高125度の環境下でも動作対応する。

 同社製のEEPROMは、すでにエアバッグやパワーウインドー、カーナビなどに採用されているが、シェアは世界で4位という。高精度な製品をラインアップしたことで、競合他社との差別化を図る。

 製品は、インターネット商社のコアスタッフオンラインとチップワンストップで1個から購入できる。