ロームは、先進運転支援システム(ADAS)用の車載カメラモジュールに最適なSerDesICとカメラ向けPMICを開発したと発表した。車載カメラモジュールの小型化や低消費電力化に貢献するとともに、放出する電磁ノイズが少ない(低EMI)といった特徴により開発工数の削減にもつながるとしている。

 今回開発した映像の伝送を行うSerDesICは解像度に合わせた伝送レートの最適化ができ、従来品に比べて27%の低消費電力化が可能。また伝送レート最適化の応用とスペクトラム拡散機能によりEMIピークを約20 デシベル 低減する。

 カメラ向けPMICでは、各社のCMOSイメージセンサーに最適な電源系統を管理、電圧設定やシーケンス制御がIC単体で可能なため、実装面積を41%削減でき、カメラモジュールの小型化を可能にする。また、熱集中を分散する回路構成が可能で、発熱を抑制することで78・6%の高い変換効率を実現する。同社では、これらを採用した4つのカメラモジュールに接続した場合、回路全体で約10%の消費電力削減効果が見込めるとしている。

 最新のADAS搭載車では1台当たり10~13台のカメラモジュールが搭載されており、さらに自動運転のレベルが上昇するにつれ車載カメラの個数が増加していくとみられる。同社では、車両全体に供給できる電力量やカメラ搭載スペースに限りがあり、カメラモジュールの小型化や低消費電力への要求は高まっているとし、そうした課題へのソリューションの一環として新製品を提案していく。