計量計測センター
新中部試験センター完成予想図

 自動車産業界向けの品質マネジメントシステム規格であるIATF16949では、自動車の品質や安全性などを担保するため、国際規格のISO9001をベースに、より高い要求事項が定められている。例えば、組織が計測器の校正で外部試験所を使用する際、校正機関の能力に関する国際規格であるISO/IEC17025またはこれと同等の国内基準に認定されている機関を利用し、証明書には認定機関のシンボルマークを含むことが条件の一つになっている。

 日本品質保証機構(JQA)計量計測部門は、ISO/IEC17025に基づき、IAJapan(製品評価技術基盤機構認定センター、JCSS)とA2LA(米国試験所認定協会)から認定された校正機関。国家計量標準・国際計量標準と組織をつなぐ校正事業者として、「計量計測センター」(東京都八王子市)をはじめとする全国4つの事業所で、認定機関のシンボルマーク(JCSS、A2LA)付きの校正証明書の発行が可能だ。現在、自動車産業界を中心にJQA校正サービスへの需要は増加し、校正証明書の発行総数は2019年度には年間12万通に達した。

 JQAにおける校正サービスの最大の特徴は、「国内最大級の校正品目・認定範囲を有し、様々な計測器の校正をワンストップで提供可能なこと」である。近年では、国内初となる3Dスキャナ(非接触型三次元測定機)の認定校正を始めるなど、組織や市場のニーズに応え、校正品目や認定範囲を年々拡大。21年初夏には「中部試験センター」(愛知県北名古屋市)の校正部署を新試験所に移転し、中部でも「電子計測器の校正サービス」を開始予定だ。このほか、計測管理の基礎知識や実践的な知識を学べる「JQA計測セミナー」など、校正以外のサービスの提供にも力を入れ、計測・校正実務者や機器管理担当者まで、計測に従事する人々から広く支持されている。

 営業窓口は東京と愛知、大阪、福岡の事業所のほか、福島、広島を加えた6カ所に設置する。顧客との対話を大切にした充実したサポート体制を構築し、昨今の状況を踏まえ、オンライン相談も積極的に活用中だ。今後も『確かな計測を、もっと身近に。』をスローガンに、「校正」に留まらず「総合的な計測管理サービス」の拡充を推進していく。