群馬大学は、自動運転による社会実装を目指す群馬大学発のベンチャー企業「日本モビリティ(小峰千紘代表取締役社長、前橋市)」を設立したと発表した。群馬大学の研究・産学連携推進機構次世代モビリティ社会実装研究センターの小木津武樹准教授が長年蓄積してきた経験やノウハウを基に、業界初の「無人移動サービス導入パッケージ」を構築し、自動運転の社会実装および無人移動サービスの導入を支援する。

 これまでの自動運転の公道実証実験では、イベントとしての盛り上がりはある一方で、継続的な導入サイクルにつながらないという課題があった。日本モビリティではこの原因を、自動運転技術を〝クルマづくり〟として捉えているためだとしている。そこで、同社では自動運転車の走りやすい路線を選ぶ、路線を自動運転車が走りやすくするなどの街づくりを行うことによって、自動運転技術のパフォーマンスを向上させる方針を掲げた。

 同社はこの度の設立に伴い、業界で初めてとなる無人移動サービス導入パッケージを考案した。自動運転車を走行させる路線を多角的に分析し、その分析結果から自動運転の導入計画を策定、最適な実証実験を展開するというもの。加えて、実験により導入計画の妥当性が実証されれば、無人移動サービスの導入に必要なもの(自動運転車両やシステム、その他周辺の技術やサービス)を提供する。同社としては地域で自律的に運用できるようになるまで支援する。

 今後同社は、無人移動サービス導入パッケージを全国に展開しつつ、提供する無人移動サービス導入パッケージの高度化、充実化を研究開発や他社との業務提携で実現するとしている。