JDIはアフターコロナを見据えた生産体制の見直しに取りかかる

 ジャパンディスプレイ(JDI)はアフターコロナを見据え、中国と台湾の工場で行っている車載用ディスプレーの組み立て工程を国内工場に切り替える検討を始めた。合わせて、一つの製品を複数の工場で生産することでリスクヘッジを図る多拠点戦略も加速する。新型コロナウイルス感染拡大の影響による都市封鎖(ロックダウン)で物流が停滞し供給網が寸断されたことを踏まえ、生産や供給を止めない強固なサプライチェーンを再構築する。

 同社は中国と台湾の拠点で車載用ディスプレーの組み立てを行っているほか、フィリピンにもデジタルカメラ用モジュールなどを組み立てる工場を持つ。日本国内で生産した部品を海外工場に輸送して組み立てるため、時間的なロスが発生していた。また、今回のコロナ禍のロックダウンで中国、台湾、フィリピン各工場の作業遅延や拠点間の物流が滞る事態に陥った。

 JDIの菊岡稔社長兼CEOは「新型コロナは多拠点戦略をこれまで以上に考える契機になった」と捉えており、コロナ収束後に向けサプライチェーンの見直しを図る。海外3工場が担うモジュール工程を、国内に配置する検討を始めた。車載用ディスプレーは鳥取工場(鳥取県鳥取市)を始めとする国内3工場で生産しており、例えばこれらの工場の余剰部分を組み立て工程に活用するなど、既存の拠点で代替する。来年以降に方針を決定する。

 また、生産の多拠点化も進める。一つの部品を複数の拠点で生産する体制を整え、稼働停止や物流網の停滞による生産活動の停止を防ぐ。顧客の要望を踏まえながら、製品を生産する認証許可を複数拠点で取得するなどの対応を始めた。今後は「コストとリスクを見ながら方針を決める」(菊岡社長兼CEO)。

 中国を皮切りに、欧州、北米、アジアの各国でロックダウンによるサプライチェーン断絶が進み、部品メーカーは自社の生産体制や調達網の見直しを迫られている。設備投資が伴うだけに慎重な姿勢を見せるサプライヤーが多いが、国内回帰を含む様々な方法を各社模索している。