日本自動車輸入組合の上野理事長

日本自動車輸入組合の上野金太郎理事長(メルセデス・ベンツ日本・社長)は、1月27日の理事長会見で、2020年の外国メーカー車(日本メーカーの海外生産車を除く)の新規登録台数について「30万台を見通している」と、2019年を上回る見通しを示した。2020年の国内新車市場は昨年10月の消費税率引き上げに伴う消費者に購買意欲の低下なども懸念されるものの、輸入車は先進的な安全や環境に対応した新型車投入などで順調に推移するとの見方だ。

2019年に外国メーカー車の新車登録台数は前年比3.2%減の29万9439台と、わずかながら30万台を割り込んだ。昨年10月の台風などの自然災害の影響で販売活動が停滞したことが大きく影響した。ただ、輸入車各社が「多様化する消費者のニーズへの対応や、幅広い車種の新型車を提供した結果、おおむね堅調に推移した」(上野理事長)としており、登録台数は過去5番目の水準だった。

2020年の見通しでは、引き続き輸入車各社が先進安全システムを搭載したモデルや、電動化車両、人気となっているSUVなど、新型車を積極的に投入すると見られるほか、購入を支援するファイナンスプログラムなどが需要を下支えすると見ている。

昨年10月の消費税率引き上げの影響について上野理事長は「(引き上げ前の)駆け込み需要はなかったので(10月以降)反動減のような大きなものは見受けられなかった」と分析。一方で、消費税が2ポイント引き上げとなったことにより「消費税率が10%ということにインパクトがあり、これが消費者の心理的な部分にどう影響するのか、1月の結果を注視したい」と、先行き不透明との見方も示す。

一方、米中貿易摩擦など、グローバルで貿易摩擦問題が広がっていることに関して「(日本は)関税障壁は撤廃されているが、非関税障壁も撤廃されることに期待している」と述べ、政府などに対してより輸入車販売を促す制度の構築を求めていく姿勢を示した。