ZMP、東京空港交通、日の丸交通など7社は1月20日、空港リムジンバス、自動運転タクシー、1人乗り低速自動運転電動車を活用する都市型MaaS(モビリティ・アズ・ア・サービス)の実証実験を開始した。自動運転タクシーを使ったMaaSの実証走行は世界で初めてとしている。自動運転車を複数の交通機関と組み合わせるほか、自動運転タクシーは難易度の高いルートを走行する。自動運転車をMaaSに活用して、運転手不足とインバウンド増加に伴う移動需要の増加に対応することを想定する。

同日、首都高速道路、地下鉄の駅と直結している東京シティ・エアターミナル(T-CAT)で、空港リムジンバス・自動運転タクシー・自動運転モビリティを活用したMaaS実証実験セレモニーが開催され、実験参加企業のほか、東京都の宮坂学副知事、国土交通省の一見勝之自動車交通局長らとともにテープカットを行った。

実証実験では、成田空港/羽田空港とT-CATを結ぶリムジンバスと、T-CAT~東京・丸の内間を走行する自動運転タクシーとが連携する。首都圏空港から都心部までの移動サービスをスマートフォン(スマホ)アプリで簡単に予約・決済できる。

自動運転タクシーの走行距離は約3kmだが、交通量が多く、短距離で交差点での右左折を繰り返すため「難易度が高い」としている。丸の内到着後、ZMPの1人乗り低速自動電動車「ロボカー・ウォーク」を使った短距離の移動も可能としている。

実証実験では、ZMPが自動運転を担当し、日の丸交通と日本交通が自動運転タクシーのサービス、東京空港交通がリムジンバスの運行サービスをそれぞれ提供する。JTBはMaaSによる旅行サービスを商品化し、施設提供として三菱地所とT-CATが参加する。各社は実験を検証して事業化に向けた課題を抽出する。

インバウンド観光客は年々増加、2019年の訪日外国人数は3188万人と過去最高となった。これに伴って観光客の移動需要も拡大している。一方で、公共交通機関では、ドライバー不足が深刻化している。今回の実証実験では、増える移動需要に対応して円滑な移動サービスの提供や、地域の活性化につながる可能性がある。