国土交通省は、自動運転車の事故の原因を究明する体制整備に乗り出す。自動運転車の事故は、システムの不具合やドライバーの対応など、さまざまな要因が見込まれる。国土交通省では、事故の原因調査・分析を客観的、真正性を確保して実施するため、自動運転車の事故を調査分析する仕組みを設けて、迅速に事故原因を究明する体制を整える。
愛知県豊田市に市道で8月29日、実証実験に向けて試験運転していた低速自動運転車が一般の乗用車と衝突する事故が発生した。昨年3月には、米国アリゾナ州で試験走行していたウーバー・テクノロジーズの自動運転車が、道路を横断していた歩行者に衝突する死亡事故が発生している。
一般車両の交通事故は、ドライバーの運転操作ミスが原因だが、自動運転車の場合、システムの誤作動、走行環境の状況、ドライバーの関与など、複数の原因が考えられる。国土交通省では、自動運転技術が原因の事故の原因究明や、再発防止策を迅速、的確に行うため、自動運転車の事故の調査分析する仕組みを構築する。
自動運転の事故に関する車両のデータからの分析、システムの不具合と事故発生の解明など、自動運転車の事故調査・分析の体制を確立する。2020年度概算要求で5000万円を要求する。
政府は2020年を目途にレベル3(システムの要請に応じて自動運転)以上の高度な自動運転、2020年までに限定地域での無人自動運転移動サービス(レベル4)をそれぞれ実用化する目標を掲げている。自動運転車が公道を走行することを想定して、これまでにない自動運転車の事故原因究明に向けた体制を整備する。