ルネサスエレクトロニクスは8月8日、業界最高レベルの高精度なセル電圧監視によって電動車両に搭載するバッテリーの寿命延長と、航続距離の最大化に貢献する第4世代のリチウムイオンバッテリマネジメントIC「ISL78714」を開発したと発売した。

新開発のISL78714は、最大14セルの直列接続された電池に対し、自動車向けにマイナス40から105度までの動作温度範囲で、プラス・マイナス2mVの精度で電圧監視とバランシングを行う。これによってバッテリーマネジメントシステムをより正確に機能できる。

また、精密な14ビットA/Dコンバータを内蔵しており、最大6本の外部温度入力を備え、主要機能の故障検知と診断機能を備える。過電圧や低電圧、温度、断線、故障状態を112セルシステムでは10ミリ秒以内に、70セルシステムでは6.5ミリ秒以内に読み出して制御用マイコンに送信する。

車載用として業界最高レベルの過渡電圧耐性と、EMC/EMI耐性を実現する独自のデイジーチェーンによってICを30個使用してバッテリを最大420セルまで接続できる。制御用マイコンとの通信に失敗した場合、ウォッチドッグタイマによってデイジーチェーン接続されたISL78714を自動的にシャットダウンする。

ISL78714は、64ピンTQFPパッケージをすでに量産している。