スズキがは8月5日発表した2019年4-6月期(第1四半期)連結業績は、インドやインドネシアなどでの四輪車の販売低迷や、完成検査の不正によって国内で減産している影響から営業利益が前年同期比46.2%減の627億円とほぼ半減した。通期業績見通しは前回予想を据え置いたものの、見通しが厳しいことから、今後の動向を踏まえて近く新たな予想を公表する予定。

期中の新車販売は、四輪車が同14.4%減の73万8000台と大幅に落ち込んだ。インドが選挙前の買い控えが起こり、新車需要全体が落ち込み、同20.2%減の37万台だった。国内販売は、完成検査の不正で、生産ラインのスピードを落として検査体制を再構築していることから同3.8%減の16万7000台と前年割れとなった。ASEANではインドネシア、タイの販売が低迷し、同5.9%減の4万2000台だった。
二輪車はインド、フィリピンで増加し、同6.6%増の45万4000台だった。

売上高は同8.1%減の9075億円と3期ぶりの減収となった。営業利益は原価低減で22億円の増益効果があったものの、諸経費の増加で205億円、売上減・モデルミック悪化で195億円、インド・ルピーやユーロ、パキスタン・ルピーの悪化など、為替差損69億円、償却費増加で64億円、研究開発費の増加で27億円の減益効果があり、8期ぶりに減益となった。

経常利益は同45.6%減の724億円3期ぶり、四半期利益が同52.8%減の405億円と4期ぶりの減益となった。

大幅減益となったことについて長尾正彦常務執行役員は「厳しい結果になった。とくにインドが選挙が終わって政権が発足したばかりだが(市場が)安定すると見ていた。インドの低迷は厳しい」と述べた。

また、インドの販売をてこ入れするため、「ハイブリッド車の普及をしっかりやりたい」と述べ、まずは低燃費と価格抑制を両立したマイルドハイブリッド車の販売を伸ばしていく方針だ。「長い目で見ればインドは市場はまだまだ大きくなる」と述べ、農村部を含めて販売ネットワークの整備などに積極的に投資していく方針を示した。