スバルが8月5日に発表した2019年4-6月期(第1四半期)の連結業績は、米国での新車販売が好調だったことや、米国でインセンティブ(販売奨励金)を抑制できたなどから営業利益が前年同期比48.4%増の922億円と大幅増益となった。第1四半期は、研究開発費などの支出が後ずれしていることや、IFRS適用の影響で見た目の業績が上乗せになっていること、さらに「不確定要素が多い」(岡田稔明専務執行役員CFO)ことから通期業績見通しは前回予想を据え置いた。

期中のグローバルでの新車販売は同8.8%増の26万3000台だった。米国販売が「アセント」や「フォレスター」の販売が好調で、同9.7%増の17万9300台となった。主力モデルの「レガシィ」「アウトバック」がモデル末期となっているものの、「切り替えがスムーズにいっている」(岡田CFO)。米国での1台平均のインセンティブは前年同期より750ドル下がって1750ドルとなり、50億円改善した。国内販売もフォレスターや「XV」に追加したハイブリッドモデルの販売が好調で同2.9%増の3万3000台となった。

新車販売が好調だったため、売上高は同16.0%増の8334億円となった。営業利益は売上増やモデルミックス改善で174億円、研究開発費の削減で113億円、大きなリコールがなかったことによる諸経費の削減で70億円などの増益効果があり、原材料価格の上昇や為替差損をカバーして大幅増益となった。四半期利益は同40.1%増の665億円だった。

同社の岡田CFOは「自動車を売っていく力は順調」としながらも、為替変動や、原材料価格の高騰、今後増加する研究開発費などの影響が見通せないことから「車の売れ行きがいいからといって修正するまで確証もてない」と述べ、通期見通しを修正しない方針を示した。