「彼は目を閉じて/枯れた芝生の匂い/深く吸った/長いリーグ戦/しめくくるキックは/ゴールをそれた」―松任谷由実が1984年にリリースしたアルバムに収録された楽曲「ノーサイド」の一節だ◆一発逆転のゴールキックを外して落胆する“彼”をスタンドから見守りながら“私”も、その場を動けずにいる。「何をゴールに決めて/何を犠牲にしたの」と問いかけながら…。冬…