半個室でプロ仕様の設備を自由に使える

 ソフト99コーポレーションは、新たに立ち上げたセルフ洗車場事業でフランチャイズチェーン(FC)展開を視野に入れた提案に乗り出す。今月行う自社の展示会を皮切りに、自動車ディーラーやカーショップ、ホームセンターなどに働きかけていく考え。田中一成取締役は「モノを売って終わりでは限界がある」とし、「ユーザーが求める生活スタイルの提案や付加価値のあるサービス」の提供で収益拡大につなげる考えだ。

 新事業の「ALAUDAY(アラウデイ)」は2024年11月下旬、モデル店舗を大阪府東大阪市にオープンした。半個室となっており、プロ仕様の設備を自由に使えるのが特徴。高密度な泡を噴射する「クリーミーフォーマー」や水跡が残りにくい純水設備のほか、車内の清掃に使用する貸出品も使い放題となっており、機械洗車では満足できない顧客をターゲットとする。車を移動せずに仕上げまで行えるようにしたことで、子ども連れでも安全に洗車ができるようにした。

 同社がセルフ洗車場の事業に参入した背景には、強みとしている洗車用品の需要に頭打ちの兆しが出ていることがある。コロナ禍の巣ごもり需要でニーズが拡大していたものの、今は一服している。そこで、自社製品との親和性が高いセルフ洗車場に目を付けた。セルフ洗車場は最盛期から大幅に減ったものの、遊休地の活用方法として、いまだ注目されていることも要因だった。

 ターゲットを絞ったこともあり、「市場規模は未知数」(田中取締役)だが、利用時に必要なスマートフォンのアプリの登録者数はモデル店の開業から1カ月で約1200人と、ポテンシャルの高さを感じたという。今後、グループ会社のソフト99オートサービス(甲斐康之代表、大阪市中央区)と連携し、コーティングの施工などサービスの拡充を図っていく方針だ。