花壇自動車大学校(鮱名滿校長)は、ボディークラフト科が「EKモビリティX(クロス)」を出展した。三菱自動車「eKクロスEV」をベースに「未来を駆け抜ける×EV」をコンセプトに設定。オリジナルのかわいらしさや力強い意匠を維持しつつ、学生の考える近未来の要素を取り入れて仕上げた。
外装は後席ドアを取り外して溶接やパテで埋め、ペイントを施した。城や寺社、桜といった日本を象徴する景観に、自由の女神やピラミッドなどの世界各地のモニュメントを組み合わせ、そこに近未来的なモチーフを盛り込んで、伝統と新たな時代の融合を表現した。足回りも力を入れ、16インチタイヤとオーバーフェンダーを装着して力強いフォルムを追求。インチアップにあたりホイールハウスを拡大し、ヘッドライトの取り付け位置を前面に延長する加工を行った。内装は、ブラックを基調に統一し、インパネのシボ取りを行って高級感を演出している。
同科はこれまで、日産「セレナ」やマツダ「RX‐7」といった過去の車両を題材に作品づくりを行い、新たな自動車の楽しみ方を提案してきた。今回は初のEVとなり、最新モデルならではの苦労があった。担当教官は「軽自動車のため車体に手を加える余地が少なく、オリジナリティを反映することに頭を悩ませた」という。また、薄く硬い鋼板の加工や、安全装備のセンサー類を生かしながらカスタムを行う点にも時間をかけた。苦心して完成した1台に学生は「ペイントやボディが滑らかにつながっている部分に注目してほしい」と自信をのぞかせる。