親子の秋田犬をモチーフにした意匠を採用する

 秋田犬の図柄入りナンバープレートの交付開始から1年が経過し、交付枚数が順調に拡大している。2023年から5年間で毎年1800枚の計9千枚の目標に対し、これまで約8千枚が交付された。寄付を伴うカラー版の割合も8割超と高水準を記録している。ナンバープレートの交付業務を行う秋田県全自動車協会(全自協)では、事業用車両への装着やナンバーの付け替えを訴求して、さらなる普及を進めていく構えだ。

 図柄入りナンバープレートの準備、普及に向けては、自治体や運輸支局、秋田県自動車販売店協会、商工会議所などで秋田県版図柄入りナンバープレート推進協議会を組織した。秋田犬をモチーフにした複数の原案をもとにワークショップを開催するなどして、県民に親しまれるデザインとなるよう準備を進めてきた。交付に先立ち販売会社へサンプルを配布したほか、ノベルティの作成、CM放映を行って認知度向上に努めた。その結果、予約を開始した23年9月から24年10月の申し込み(再交付は除く)は普通車で3328件、軽自動車で4915件を記録した。

 想定を大きく上回る実績となった一方、2年目に入りディーラーの現場からは「ニーズが落ち着いてきている」との声も聞かれ、さらなる交付枚数の上積みのための新たな施策も検討されている。全自協の伊藤一哉専務理事は「人口減少や自動車の保有台数の減少を考慮すると、現在使用されている車両に付け替えを提案していきたい。また、レンタカーや路線バス、トラックなどの事業用車両への交付に伸びしろがある」との考えを示す。

 図柄入りナンバーは、走る広告塔としての役割に加え「安全運転の意識にもつながる」(伊藤専務)ため、地域の活性化に向けて積極的な訴求が期待される。