ダイハツ工業について「(役職の)階層や書類が少し多いと感じる」と話す桑田正規副社長

 ダイハツ工業の桑田正規副社長はこのほど、オンラインで初めて報道陣の取材に応じた。桑田副社長は、再発防止策について「(自分たちの)思ったことをやるというより、(会社のことを)しっかりと考えている人たちに光を当てるということ、こうした従業員が仕事を進めやすくすることに主眼を置く」と語った。桑田氏はトヨタ自動車出身で人事・総務畑の経験がある。自身の経験を生かし、組織や風土改革を急ぐ。

 同社は認証不正を受け、1日に新たな経営体制を発足させた。トヨタ出身の井上雅宏社長、ダイハツ生え抜きの星加宏昌副社長、桑田副社長の3人を軸に経営にあたる。

 第三者委員会によると、同社の認証不正は、過密な開発スケジュールや人手不足、組織風土などが重なって起きた。19日のオンライン取材会で桑田副社長は「リソーセスが変わらない中で(台数などの)規模が拡大した。ダイハツに来て感じたのは(認証関連部門だけではなく)コーポレート機能もかなり人が少ない」とし、「採用も含め会社全体のリソースをどうしていくか。現場で頑張っている人と向き合うために組織改革など、さまざまなことが(風土改革には)絡むと思うので、ここに尽力したい」と語った。

 ダイハツの課題として「(役職の)階層や書類が少し多いと感じる。こうした点をどう変えていくかがテーマの一つになる」とも述べた。

 桑田副社長は1992年にトヨタへ入社。20年にわたり国内営業に携わった後、総務・人事本部長や事業開発部長などを経験し、2022年4月~23年3月まで人事担当の副社長を務めた。23年4月からはレクサス電動化推進PJT担当(チーフ・プロジェクト・リーダー)兼トヨタ自動車九州副社長を務めていたが、ダイハツの立て直しのため副社長に抜擢された。トヨタの佐藤恒治社長は、桑田副社長を「組織づくりのプロ」と評価していた。